WCK Meeting vol.71「デザインの決め方・評価の仕方」レポート

講師の長谷川恭久さん

初めまして!今回から実行委員になった学生の森田ドラゴンです。微力ながら高知のwebクリエイターの発展に協力できたらと思い、WCKに参加させていただいてます。これからよろしくお願いします!

2019年6月22日 (土) 、長谷川恭久さんをお迎えして WCK Meeting 
vol.71「デザインの決め方・評価の仕方」が開催されました。

デザインという文字がタイトルに入っていますが、デザイナーだけのための講座ではありません。ビジネスに役立つデザインとはなにか、デザイナーは何を基準に判断するべきか、などを学ぶ勉強会です。僕以外の学生や、県外の方にも参加いただき、ワークショップの時間には様々な意見が飛び交う、活気のある勉強会になりました。

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デザインの指標・評価の仕方が必要な理由とは?

デザインの指標がなければ、webデザインを作成する際に食い違いが発生してしまいます。webデザインの食い違いが発生する例としては、デザイナーとエンジニアのやりとりです。

デザイナーの方はデザインを提示する際に、サイトの理想形を伝えます。例えば、タイトルは6文字以内で、横並びにした時は3列で・・・というデザインを提示します。エンジニアはそれを元に作業するわけですが、タイトルが30文字になってしまった場合はどうするのか、横並びの要素が5つになった時は左寄せにするのか、右寄せにするのかわからないわけです。

この場合、エンジニアの人がデザイナーの人の空気を読んで作ります。こういったデザインの仕方では、デザイナーの中にしか正解がないので、その場の気分でデザインを決めるということがまかり通ってしまい、またそのデザインを評価することも出来ないので、デザイナーの成長につながりません。

全員が違う視点を持っている中で、それを理解し、共通の判断基準を持つことが大切です。

事業に貢献できるデザイン

では、良いデザインとはなんなのでしょうか?それはユーザーの視点とビジネスの視点が混じり合った、事業に貢献するデザインです。ワークショップでは、事業に貢献するデザインを実現し、自分のやりたいデザインを説明するために「サイドゴール・原則・ユーザーゴール・指標を分析する」という内容でした。県内の某施設のホームページを題材に、グループに分かれて4つの要素をディスカッションしていきました。

デザイン分析ワークショップ


ワーク1 サイトゴールを考える

サイトゴールとはビジネスサイド( サイトオーナー )が期待することです。飲食店のwebサイトであれば「来店者数の増加」ということがサイトゴールに当てはまります。webコンサルタントの方は簡単に思いついていました。

ワーク2 原則(クライアントの価値観)を考える

サイトデザインで優先する内容を共有するためには「一体何を大事にしているのか」という原則を共有する必要があります。米国の心理学者アブラハム・マズローが考案した欲求5段階説を応用したデザイン原則を元に、アイディアを出して当てはめていきました。

普段、原則や価値観を考えるのはクライアントの役目です。参加者の方は、この工程の後に仕事をするので、原則のアイディア出しに四苦八苦していました。

ワーク3 ユーザーニーズを考える

ユーザーニーズとは、ユーザーがサイトを訪れる目的・動機のことです。例えば「現在開催中のイベントの内容がしりたい」というのがユーザーニーズだとします。そうすると、ウェブサイトのトップページに「開催中のイベント一覧」などを掲載すれば、ユーザーニーズを満たすことができる、というわけです。

ワーク4 指標( 判断基準 )を考える

デザインの指標とは、ユーザーニーズを満たしていると判断できる指標にしなければいけません。安易に、ページビューなどをwebサイトの評価基準に設定しても、webサイトの品質向上につながるとは限りません。webサイトをよくしていくためにユーザーゴールにそった指標を別途設定する必要があります。

デザイナーはこういったことを考えないので、一番重い作業だと、長谷川さんはおっしゃっていました。

成果共有


成果発表の様子

ワークの最後には、それぞれが考えたデザインの分析結果を共有しました。4つの要素のうちの1つが違えば、それに伴って戦略や指標も変化します。様々なデザインブリーフが共有され、自分の考え方が広がる共有会となりました。

本来は1日かけてやるワークショップとのことでしたが、参加者の方は濃厚なワークショップに満足していた様子でした。私もデザイン1つにここまでの戦略が求められることを知り、非常に勉強になりました。


デザイナーがこれから生き残るために


最後に、WIXなどの自動でwebサイトを作成するサービスが台頭してきている中で、デザイナーがどのように戦っていくべきか、お話いただきました。

「なんとなくカッコいいとか、オシャレなデザインっていうのはAIにも作成できる。デザイナーに求められているのは、クライアントの戦略にそったデザインをすること」

クライアントから聞いたことを鵜呑みにして、頑張ってデザインするのではなく、自身の生み出すものがクライアントにとってどのように価値があるか説明できることが重要である、ということでした。

デザインの仕方・評価の仕方だけでなく「なぜwebサイトを作るのか」といった根本にある戦略についてのお話もいただきました。

講演してくださった長谷川さん、参加していただいた皆さん、ありがとうございました!


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