「ひとつの会社と場所にとらわれない働き方」WCK Meeting vol.60レポート

写真:和室にいっぱいの参加者で賑わう勉強会の様子

2018年5月11日(金)にウェブクリエイターズ高知の勉強会「ひとつの会社と場所にとらわれない働き方」(WCK Meeting vol.60)を開催しました。

副業やパラレルワーク等の関心が高まっていることもあってか、定員20名を大きく超える33名の方にお申し込みをいただきました。

当日は、告知時のバナーで注目された「ちょんまげ」スタイルでお話くださった小橋さん。前半は、小橋さんがウェブ制作の上流工程で行っている様々な分析手法を紹介いただきながら、「自分自身の強みを分析・理解すること」がパラレルワークを行う土台になると教えていただきました。

後半は、実際にどのような働き方をしているかについて説明いただき、最後の質疑応答でも活発に質問が飛び交う勉強会となりました。

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仕事で培ったノウハウがパラレルワークの土台に

主にウェブ制作における上流工程(分析や企画・設計)とプロジェクトマネジメントを担当されている小橋さん。

最初にクイズ形式でいくつかの手法を紹介いただきましたが、その手法がパラレルワークを行う上で土台となる「自分の強み・弱みを知る」ことに活用できたと紹介いただきました。

事業分析のフレームワーク「SWOT分析」を自分自身に当てはめる

普段のお仕事の中で、クライアントの事業分析のために使っていたSWOT分析。
個人事業主として仕事が軌道に乗ってきた時期に、自分自身に当てはめて考えてみたところ、現在の働き方を始めるヒントが得られたとのこと。
※SWOT分析は、Strength:強み、Weakness:弱み、Opportunity:機会、Threats:脅威の4つの視点で変化する環境の中で意思決定を行うための分析を行う手法です(Wikipedia

小橋さん自身は、この分析でウェブサイトの設計とプロジェクトマネジメントが自身の強み=得意領域だと自覚されたと紹介いただきました。
強みと弱みが明確になったことで、一人ではなくパートナーと協力した働き方を模索し、パラレルワークに辿り着いたそうです。

会場から挙がった、「自分を客観的に分析して強みを理解するのは難しい」という質問に対する、「強みは、自分ひとりでは見つけにくいため、周りの人の意見を聞いてみましょう」という回答が印象的でした。

時給で働かない「非常勤執行役員」という働き方

個人事業主だけではなく、東京の会社の非常勤社員としても働き始めた小橋さん。

掛け持ちになるため、毎日、会社に出社するという働き方はもちろんできません。
一定時間を事務所で過ごしたり、残業の仕組みを適用できないため、「時給」とは異なる給与の考え方が必要になるとか。

ここでも、お仕事の中で使っているKGI、KPIといった「目標達成の指標」を自身の働き方に適用し、時間ではなく成果に標準を合わせた契約形態を取っていることを紹介いただきました。

質疑応答の時間では、経営者側、従業員側のそれぞれの立場から、パラレルワークを導入するための質問が寄せられていました。

「細かすぎる」プロジェクトマネジメント

プロジェクトを管理する方法として、いくつかの手法やツールを紹介してくださいましたが、パッと拝見してもとにかく細かい。

クライアントやパートナーからも、「細かすぎて変態(笑)」と言われることもあると苦笑いしながらも、その「細かさ」が「信頼」にもつながって、新しい取引が生まれているとのこと。

アンケートでも、パラレルワークを行う条件として、プロジェクトマネジメント力が必要になると感じたという意見もありました。

新会社を設立し、社長に就任。3つの立場で働くことに。

個人事業主と非常勤社員で働くことで、仕事の引き合いが増えていった小橋さんは、更にもう一つの立場で働き始めます。

仕事上のパートナーであった複数のメンバーに声をかけて、徳島県に新会社を設立。社長に就任されました。

営業上のパートナーと、制作チームとしてのパートナーを得て、更なる四国の発展を目指されるという強いメッセージを感じました。

パラレルワークのメリットとデメリット

セッションの後半では、パラレルワークのメリット・デメリットを紹介いただきました。

メリットは、「相互補完できる関係」「失業時のリスク分散」「複数社の経営の仕方を学ぶことができる」点を挙げられました。

一方で、デメリットとしては「メールアドレスが複数になり管理が煩雑」「名刺入れも複数必要」「個人事業主として年末調整や確定申告も必要で大変」と、管理する情報が大きく膨らむことも教えていただきました。

「ぶっちゃけ、会社員がラク」ともお話いただき、パラレルワークには「強みを明確にすること」の他に、「目標を明確にすること」も必要だと教えていただきました。

江戸時代の人たちは、みんなパラレルワークだった!?

最後にご紹介いただいたのは「江戸時代の人たちの働き方」。

小橋さんによると、3つの立場で働く今のワークスタイルは、江戸時代の人たちに近いのだとか。
江戸時代の人たちは、1つの会社に所属するのではなく「そこにニーズがあれば、商売になる」という発想で、自分のできることを仕事にしていたようです。

歴史を紐解くと、逆に少し前まで当たり前とされてきた一つの会社に一生所属して働くというスタイルも、近年登場したものであるように感じました。

ITが発展したことで、江戸の風潮が現代に蘇ったという捉え方をすると、また新しい視点が生まれそうです。
江戸時代の人たちは、対価をもらって働く以外にも、ボランティアのような活動にも積極的に参加していたようで、夜の時間や土日にウェブクリエイターズ高知に参加するのも、江戸時代のライフスタイル!?なのかもしれません。

ご紹介いただいた記事:パラレルワークの都市「江戸」/PARAFT

(ようやく、この髪型の謎が明らかになりました 笑)

パラレルワークについて、もっと語りたい。

質疑応答では、「保険等はどうやっていますか?」「経営側のメリットは何だと思いますか?」等のパラレルワークの実際についての質問が寄せられ、時間が足りないほどでした。

懇親会でも、働き方についての議論が活発に交わされ、ウェブクリエイターズ高知としてもパラレルワークのテーマについて、もっと皆さんと意見交換する場を作りたいなと、今後の可能性を感じた勉強会となりました。

登壇いただいた小橋さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

写真撮影:上野洋平(notch), 大久保真希(Office KMK)

懇親会も盛り上がりました!


写真:参加者のみなさんが講義を聴いている様子

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ブログでご紹介いただきました

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