「失敗しないWeb制作のコミュニケーション術」WCK Meeting vol.64 レポート
2018年9月21日(金)にWCK Meeting vol.64 「失敗しないWeb制作のコミュニケーション術」 が開催されました。
金曜日の夜にも関わらず、15名を超える方に参加いただきました。
前半は、ウェブクリエイターズ高知実行委員の小橋さんが、実際に外部の協力パートナーさんたちと仕事している中で気をつけるべきポイントを説明されました。
後半は、ウェブ制作を依頼して困ったことや失敗したことについて意見を出し合いました。
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ウェブ制作における気をつけるべきポイント
勉強会の前半では、ウェブ制作を外部のデザイナーさんやエンジニアさんに依頼したときに失敗しないポイントを小橋さんにお話していただきました。
小橋さんは、ウェブディレクター兼デザイナーとして働かれるかたわら、複数の会社にも所属され、パラレルワークで活躍されています。
長年ウェブ制作に関わってきた経験のなかで、気をつけているポイントや方法をご紹介していただきました。
1. ワークフローを明確に。
目的を整理して「どんなユーザーのために」「どんな情報を提供するか」を明確にする必要があります。
制作前段階で、インターフェイス設計書・仕様設計書などの成果物を確認していただくようにし、各工程のステップをしっかり踏むことで、スムーズなプロジェクト進行を提供できるようにしています。
2. 事前ヒアリングを入念に。
現状分析にひつような事前ヒアリングは、よくヒアリングする内容をヒアリングシートにまとめておいて、初回取引のお客様にはそのシートを埋めてもらうようにしています。
3. デザインの趣意を伝える。
どうしてこのようなデザインになったのかという説明をお客さんに伝えることによってお互いが納得できるようにしています。
そのための資料(デザイン趣意書)を作成して、提示するようにしています。この資料はデザイナーさんにも共有できるので、統一性が保たれます。
4. マークアップルールの共有。
コーディング仕様書などを作成して、マークアップ時の規則を決めておくことが必要です。
ディレクトリーの命名規則や画像ファイルの命名規則も決めておくと、運用フェーズで該当ファイルを見つけやすくなります。
5. システム開発の認識の違いをなくす。
システム設計書は認識の齟齬がおきないように細かくすべてのパターンがわかるように作成しています。
6. スケジュール表の管理。
スケジュール表は日にち単位でお客様の確認期間や開発チームの修正期間がわかるように細かく作るようにしています。
7. タスク管理ツールを活用しましょう。
Backlogを基本お客様とのやりとりに使用しています。制作メンバーとのコミュニケーションにはチャットワークを使っています。
また、Googleスプレッドシートを活用して、ディレクトリマップ、スケジュール表、デバック管理表を管理しています。
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ディスカッション
後半は、ウェブ制作を依頼して困ったことや失敗したことについてディスカッション形式で進められました。
参加者のみなさんには、事前にアンケートで「Web制作を他人に依頼して失敗したこと」を書いて提出していただいていました。
そのアンケートの内容に沿ってみんなで意見を出し合いました。
- 「納期が短い案件で、お互いが打ち合わせをする時間が少なく、行き違いが生じた。」
- 「つくっても、つくってもNoがでる」
- 「デザイナーさんに修正をお願いしても、こだわりがあるからか修正してくれない。」
- 「依頼を受ける立場です。要望が曖昧でコストがかかってしまっています。」
- 「ネットで検索した個人事業主にカスタマイズを発注したが、忙しいなどいろいろと理由をつけられて納期が半年ほど遅れた。」
- 「新人の人と一緒にWebを組んだが、マークアップを厳密に行うことを伝えてなかったので、<div>だらけのソースになってしまった。」
これらの事例に対して「段階リリースを提案してはどうか?」「プロトタイプで検証してみては?」「なぜかっこいい?が必要かを明確にしてみるといい。」など、様々な案がでました。
他にも様々な失敗体験やそれに対する意見やアドバイスが飛び交いました。
時間いっぱいまで意見交換が行われましたが、惜しくも時間切れ。他の方の意見を聞くことで、スムーズに仕事を進めるためののヒントや気づきを得られた方も多かったのではないでしょうか。