WCK Meeting Vol.67「新春ライトニングトーク大会2019」レポート

写真:13名の登壇者の皆さんの集合写真。左上に興梠さんの顔写真が合成されている。

2019年1月19日(土)bridge+ にて、WCK Meeting Vol.67「新春ライトニングトーク大会2019」が開催されました。

毎年恒例となった新年LT大会。今年も早々に14つの登壇枠が埋まり、バラエティ豊かなライトニングトークが展開されました。

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2019年のWCK


2011年の設立以来、月に一回のペースで勉強会を開催してきたウェブクリエイターズ高知(WCK)。昨年から新代表となった坂上さんより、2019年の勉強会の方針が発表されました。

今年は講師をお迎えしてのセミナー回と、気になるトピックについて参加者同士で意見交換を行う「ガヤガヤ情報交換会」が交互に行われる予定です。

2019年4月〜2020年2月の勉強会スケジュール予定はこちら

次回の勉強会は2月15日(金)WCK Meeting vol.68「ウェブ解析で振り返る高知のウェブ2018」です。

今年も高知でウェブに関わる人たちと共に学び、情報交換する場として活動を続けていきたいと思います。実行委員一同、みなさまのご参加をお待ちしています!

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10分ライトニングトーク×14!

LT1:大阪で新規事業作ってる話

小林 洋実さん(PLAN-B)


今年のトップバッターは、大阪からご参加いただいた小林洋実さん。大阪でエンジニアとして活躍されながら、地元高知のコミュニティにも積極的に関わりつづけてくださっています。
小林さんからは新規事業の立ち上げに関わった経験から、サービスを開発する上で大切なポイントについてお話いただきました。クライアントが抱えている課題を抽出する難しさ、作り手のエゴが解決の制約になってしまう落とし穴を乗り越えるには、何度も「なぜ・なに」と深掘りしてみることが大切とのこと。アイデアを磨き上げるために有効なフレームワークもご紹介いただきました。ご自身でも保育園事業の立ち上げを目指したい!という楽しみな宣言で締めくくられました。

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LT2:Webを学ぶきっかけと今後の抱負

足立 剣士さん


続いては高知工科大学1年生、足立剣士さんの登壇でした。暗くて自分から人に話しかけるのが苦手…と自己紹介しながらも、今回LT登壇に挑戦してくださいました。
工業高校で様々なプログラミング言語を学んだ中で、ウェブ技術の面白さに目覚めた足立さん。高校のイケてなかったウェブサイトを作り直したり、友人同士でウェブ開発サークル Fencers を立ち上げ、積極的にイベント参加や学習会をされているそうです。次は Github を習得したいとのお話に、Twitter でおすすめページが寄せられるなど、学習の輪が広がりそうな予感に満ちたLTでした。

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LT3:夫婦で共同作業してみた

影浦義丈さんHBソフトスタジオ


2年連続のご登壇、影浦さんからは、昨年行われたご結婚パーティーの裏側についてお話いただきました。エンジニアの影浦さんとデザイナーの奥様(後ほどご登壇の阿部冴香さん)の共同作業で、パーティーのお申し込みサイトを制作されたそうです。AWS や Stripe などのサービスを組み合わせて利用することで、早く・安く・頑健なサイト構築が可能になるとのこと。実際のパーティは数十名規模でしたが、数百万PVまで耐えられます!のくだりには笑いが起こっていました。ハードルが高いように思われがちなクラウドサービスですが、楽しい活用例に興味を惹かれた方が多かったようです。

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LT4:高知の情報配信サービス「Smatosa」

ボーンさんb&LLC


ボーンさんからは、開発・運営に関わられているアプリ Smatosa(スマとさ)の紹介をしていただきました。2016年のリリース以来、高知のニュースや観光、グルメ、イベント情報を毎日“スマートに”配信している Smatosa。情報をマップやカレンダーから検索できたり、よさこいの時期には参加チームの練習風景や本番の演舞情報など地元ならではの便利な情報発信が特徴です。隠れ人気コンテンツ(?)の「県知事室中継」の裏話には会場爆笑でした。
「月に行けなくても、女優の彼女がいなくても、情熱があればアプリは作れる!」のメッセージが印象的でした。

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LT5:Search Engine Optimization (SEO) for Web Creators

アシフ ・イフテカルさんSHIFT PLUS


昨年7月にバングラディシュから高知へ移住し、SHIFT PLUS にジョインされたアシフさん。お申し込み当初は英語でのスピーチ予定でしたが、日本語での発表に初挑戦してくださいました。
Googleの検索アルゴリズムで、何が評価されてきたかの変遷を時代を追って説明してくださいました。その時々でアップデートの報は耳にするものの、まとめて復習できる機会はなかなかないので、勉強になったとの声が多く聞かれました。また、これからのウェブサイトでSEO対策として注力すべきポイントもご紹介いただきました。制作者もSEOに関する知識を身につけ、効果の上がる開発・運用ができるよう勉強していきたいですね。

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LT6:時間泥棒との付き合い方

宇都宮 竜司さんSHIFT PLUS


「ご挨拶を兼ねて1時間ほど情報交換させていただけませんか?」は「1時間寿命が縮む薬を飲んでみませんか?」と言われるのと同じように聞こえる、というインパクト大のフレーズで始まった宇都宮さんのLT。私たちの有限かつ最も貴重な資産である時間を奪う「時間泥棒」と上手に付き合い、自分の時間を守る方法についてお話いただきました。時間泥棒の種類を利害関係の有無と発生理由で分類し、宇都宮さん流の具体的な対策も交えて解説いただきました。身の回りの時間泥棒に思い当たる節のある方も多かったようで、自分が泥棒にならないように気をつけたいとの声も聞かれました。

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LT7:RailsアプリにJavaScriptのトレンドを取り入れる

森田 久真さん


高知大学4年生の森田久真さんからは、ウェブサービスに Vue.js を採用した理由と今後の展望についてお話いただきました。数あるJSフレームワークの中から Vue を選んだ理由として、学習のしやすさや他のフレームワークと併用しやすいこと、憧れのエンジニアさんが注目していたことが挙げられました。また、実際のコードを見ながら扱いやすさのポイントを解説していただいたことで、自分も触ってみたいという声が参加者からも聞かれました。現在開発中のサービス「Vacant」は、空き家・空き山・空き畑を利活用したい人向けのマッチングサービスで、3月の高知家ビジネスプランコンテストに出品予定とのことでした。

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LT8:稼げるウェブクリエイターになろう!

杉本 憲昭さんメディアミックス研究所ウェブポップ


続いてはウェブ業界歴18年の杉本さんより、これからのウェブクリエイターの稼ぎ方についてお話いただきました。昨年フリーランス1本から会社員とのパラレルワークにシフトされた杉本さん。どうやって仕事を獲得するかを、ネットショップで売上を上げる方法にあてはめて解説してくださいました。
単にお金を得ることだけではなく、個人の成長やスキルアップ、社会の中での評価も含めた「資産」を築いていくことが大切とのこと。リアルとSNSを通じて、様々なコミュニティと楽しみながらつながるスタイルは、これから社会に出る学生さんにも参考になったのではないでしょうか。

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LT9:これからのサービスの話

宮本 大輔さん


今回が初登壇という宮本さんからは、情報サービスのこれまでとこれからについて学生目線で発表していただきました。私たちの生活に当たり前のものとなったスマートフォンやネットショッピング、クラウドサービスやSNSなども、ここ10年の間に作られたもの。技術の発展と普及により、情報の時間距離は圧倒的に短くなっている、と宮本さん。AIやIoT、Fintech をはじめ次の10年に発展しそうな技術やサービスを予測するとともに、それらを正しく活用することの重要性についてお話しいただきました。可能性いっぱいの宮本さんからの「世界は可能性に満ちているッ!」との締めくくりが頼もしいLTでした。

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LT10:プログラマーと結婚してよかったことをまとめてみた件。

阿部 冴香さん(フレーズライン)


3年前のLT大会で電撃結婚発表をされてから、2年連続でご夫婦で登壇エントリーいただきました。今回は「ノロけまくる!」と宣言してのLTスタート。デザイナーの阿部さんがエンジニアの旦那様との結婚生活の中で良かったことをお話いただきました。共同制作ができたり(影浦さんのLT参照)、業界の「当たり前」の違いを知れたり、論理的な言語化の訓練になったり。お仕事に限らず、お金や時間の使い方、物事の捉え方の面でも良い影響を受けられたそうです。
相手の良いところに目を向けて感謝を伝えることは、関係性のメンテナンスに必要なことでもあり、巡り巡って自分へと還ってくるというお話が印象的でした。

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LT11:実践!屁理屈力 〜ノリでやっちゃったことに後からもっともらしい理由をつけてみる〜

興梠 敬典さんNextremer


続いては、なんとビデオ中継での遠隔登壇! 会場のPCとの画面共有やビデオ通話を駆使した未来感あふれるLTとなりました。


興梠さんにお話いただいたのは、MushupAwards2018 でVUI賞&HackEverything賞を受賞された VUIアプリ「けいこさん」について。ついつい溜め込んでしまう承認作業を「ながら」で出来るようにしたい!というアイデアドリブンで開発されたアプリについて、VUIの特性を絡めながらその設計思想を解説いただきました。実はこの理論部分、開発後にフィードバックをもらう中で膨らんだものだとか。解決したい課題やアイデアがあるなら、まずはアウトプットしていろんな人の意見をもらうのが大事、とのメッセージをいただきました。

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LT12:中国のシリコンバレー深センで見たもの

孝橋 直弥さんSHIFT


孝橋さんには、中国の深センへの視察レポートをLTにしていただきました。
今や香港のGDPを追い抜き、北京や上海に並ぶ大都市に成長した深セン市。街の平均年齢32歳、「スピード、若さ、イノベーション」を掲げた街は夢と希望にあふれ、多くの優秀な人材が集まっているそうです。QRコード決済がどこでも完備されていたり、オンラインとオフラインが融合したようなOMOスーパーがあったりと、最先端の様子をご紹介いただきました。ビジネスに特化した土地ながら、人々はお節介なくらい優しいのだとか。街が急成長を続ける中で置き去りにされている部分に、日本企業も入り込んでいけるチャンスがあるのではとの見解をいただきました。

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LT13:IT屋50代からの人生デザイン

片岡 幸人さんダンクソフトソフトビレッジ


今回の最年長参加者にして登壇者の片岡さんからは、人生100年時代をいかに生きるかについてお話いただきました。時代の変化により、かつては安泰と思われた50代もまだまだ折り返し地点と言える、と片岡さん。10年後も働き続けるためには、お金や不動産といった有形資産だけでなく、自らを時代に合わせて変化させるための投資とのバランスが大切とのことでした。また、これからの資産として、価値をシェアしあえる人間関係や信用を積み重ねることの重要性についても教えていただきました。人生の先輩からの「今は人生の準備期間」「楽しんでやれることをやっている人が勝つ」とのメッセージが心強かったです。

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LT14:コミュニティって素晴らしい!

森田 大智さん


最後の登壇者は高知工科大学1年生の森田大智さんでした。大学生活そっちのけでのめり込んでいるというコミュニティ活動について、参加の経緯と楽しむコツをお話いただきました。
高校で座学ばかりのプログラミングの授業に疑問を抱いた森田さん。実際にものを作って、プログラミングを楽しめるようになりたい!とIT系イベントに飛び込んだそうです。参加前はゴジラのように見えた現役エンジニアの気さくさや、遊ぶように本気でものを作っている大人たちの姿に感銘を受けたそう。コミュニティを楽しむには、できることもできないことも隠さずに自分も前に出てみるのが良いと教えていただきました。LT大会のトリにふさわしい堂々たるプレゼンに、将来が楽しみすぎるとの声が挙がっていました。

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ご参加ありがとうございました!


今年も県内外からコミュニティを超えてご参加いただき、幅広いトピックのLTを聴くことができました。14名の登壇者の皆さま、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

今回のLT大会を通じて、自分もLTをしてみたい、あるいはもっとたくさん登壇してみたいと思われたら、ぜひWCK実行委員までお声がけください。

写真撮影:中野玄(HOOP Design)、上野洋平(notch
レポート執筆:間嶋 沙知

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ツイートまとめ

当日のツイートを以下にまとめました。
WCK Meeting vol.67「新春LT大会2019」/ Togetter


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